シリーズ展望

G1第61回四国地区選手権競走は、2月9日より6日間にわたって戦われる。

本タイトルはまるがめ鳴門との交互開催となっており、今回はまるがめが舞台となっている。今大会のメンバー構成で特筆するべき点といえば、出場選手全員がA級という点だ。…というのも、 四国地区選といえばB級でも走れるG1というのが、ある意味、特徴の一つだった。例年、A1級の選手が足りなければA2級から、それでも足りなければB1級からと、A2級以下から補充せざるをえない年が多いからだ。それでいて、B1級選手がA1級選手を破る…などの下剋上が少なくなく、この点も一つの魅力となってきた。昨年、出場メンバーが決まった時点では、ちらほらとB1級の選手がいたのだが、今期の勝率が適用されて、改めて出場メンバーを見渡してみると、その全ての選手がA級以上に昇格していたのだ。これは、四国地区全体のレベルが上がっているということに他ならず、今大会は、B1級からの下剋上が見られない代わりに、これまで以上にレベルの高いレースが繰り広げられるといえるだろう。

出場メンバーを見渡すと、本タイトルを複数回優勝している選手が多いことが目を引く。瀬尾達也(5回)をはじめ、秋山広一(2回)福田雅一(2回)興津 藍(2回)三嶌誠司(2回)、ここに前回優勝者の田村隆信(2回)を加えた6選手だ。また1度のV歴があるのは、山川美由紀、烏野賢太、丸尾義孝、重成一人、林美憲、市橋卓士らだ。

V戦線を賑わせるであろう顔ぶれから、まず名前を挙げたいのは田村隆信だ。前回大会での優勝を含め、本タイトルはV2の実績。近況はSG、G1戦線に復帰し、そのほとんどで予選を突破するなど、コース不問の高い安定感と、ここ一番の勝負強さで四国ダービー連覇を狙う。また同期の森高一真もV候補の一角だ。走り慣れた地元水面では他場に比べても成績はよく、地元を走ればまずは優出、さらによくすれば優勝というほど、地元実績は高いレベルを誇る。昨年は蒲郡G1で優勝し、年末の住之江グランプリにもトライアル組として出場。2ndステージまで駒を進めるなど近況は好調そのもの。本タイトルは未だ獲ったことがないのは意外(?)だが、地元のエースとして、今回はタイトル獲得のみを主眼として参戦することだろう。

この他でも目玉選手は豊富だが、やはり注目すべきは片岡雅裕だ。昨年、びわこ大賞でG1初優勝をしたことで、SG戦線にも参戦できた。その高いステージで揉まれ、一回りも二回りも成長して今大会に臨む。もちろん、優勝候補の一人として数えられるだけの力量は備わっている。重成一人は、最近こそビッグタイトルからは遠ざかっている印象だが、年間を通してSG、G1戦線で安定した成績を残している。高い整備力はもちろんのこと、勝負どころではアッと驚く作戦をみせるなど、レースを面白くしてくれる存在だ。近江翔吾はルーキー世代ながら、近況ではG1に出場する機会も増え、強豪たちの中でも若手らしい思い切ったレースっぷりをみせている。成長著しい今なら、いいモーターを引くことができればV争いに加われるだけの力はあるだろう。

徳島からは、まずは市橋卓士。本タイトルは58回大会でV、59回、60回大会でも優出するなど、常に安定した強さをみせ、当然、今大会でもV候補の一人といえる。機力出しに成功すれば間違いなく結果を出してくるだけに、日々の舟足の変化には要注目だ。興津 藍は本タイトルV2を挙げているうえ、ここ丸亀では過去10節中7優出と、水面との相性も申し分ない。大崩れしないそのレーススタイルから、序盤から活躍するようならシリーズを通して追いかけてみたい。山田祐也は、若手ながら記念クラスの大会への出場も増えてきている。昨年は若松メモリアルでSGデビューを果たし、その節に水神祭を挙げるなど目覚ましい速度で進化を続けている。その鋭いマクリ差しを武器に、四国地区の強豪たちに挑む。

そして7名の女子選手。今大会には、山川美由紀、新田芳美、岩崎芳美、淺田千亜希、岸恵子、平高奈菜、中村桃佳と7名の女子選手が出場する。中でも、42回大会でV歴のある山川美由紀は、昨年初開催された「G2レディースオールスター」の初代女王に輝き、「G3オールレディース」でもV2と、今もなお第一線で活躍し続けている。岸恵子は、その高い攻撃力が魅力だろう。どんな強豪相手でも自分のスタイルを崩すことなく、時折、大外からでも大穴をあける。不利枠でノーマークの時こそ、狙ってみたくなる選手だ。平高奈菜は、思い切りのいいレースっぷりが魅力だ。また最近では、内枠での安定感も増してきた。昨年末の「クイーンズクライマックス」では、ファイナルまで進出するなど勢いは十分だ。今大会の出場選手の中で、最も登番の若い中村桃佳も、先輩レーサーたちに負けず劣らずの実績だ。昨年はV3を数え、「クイーンズクライマックスシリーズ」でも予選突破を果たすなど、若手女子選手では頭一つ抜けた存在となっている。

前回大会でも、山川美由紀、岸恵子、平高奈菜、中村桃佳の4選手は準優出という結果を残しており、今大会でもこれら女子強豪たちの活躍が期待される。山川美由紀が制した1999年以来の、女性チャンピオンが生まれる可能性も十分考えられる。