まるがめ水面検証

丸亀水面の一般的なイメージといえば、

  • 比較的インコースが強い
  • 潮の干満差が大きい
  • 満潮時にはインが強く、干潮時にはセンターからアウトの攻めも効く
  • 一年を通して北からの向い風が多い
  • 冬場は特に向い風が強くなる

と、いったところだろうか。それでは実際のところはどうなのか、今回の「四国地区選手権」が開催される2月にクローズアップしつつ、データを検証していきたい。

コース実績から見る丸亀水面

比較的インが強いといわれることが多い丸亀水面だが、最近の実際のデータはどうだろう。昨年1年間のコース実績を見てみると、1コースの1着率は約52%となっている。決まり手のデータを見ても、逃げが48%で、差し、マクリ、マクリ差しがそれぞれ約15%と、ほぼ同じ数字となっている。レースの約半分がイン逃げ決着だと考えると、やはりインコースがレースの中心だと考えるべきだろう。

ちなみに、丸亀では一般戦の場合、1、5、8レースで企画レースを実施しており、それらはいわゆる1枠シード番組となっている。この点を踏まえて考えると、実質のコース特性としては、その数字よりもやや低いのかもしれない。しかし、それでも1コースは、2連対率で約70%、3連対率では約80%となっており、およそ8割のレースでインコースが舟券に絡んでいる。やはり、基本的に丸亀の舟券作戦は、イン中心に考えるべきだろう

インコース以外をみてみると、外枠に向かっていくにつれ、2連対率、3連対率とも下がっていく傾向だ。インの次に2コースが有利で、しいていえば、連対率では3コースより4コースの方がほんの少し数字が大きいことに気付くが、これもシード番組の影響を考えると、誤差の範囲か…。

コース コース 1着率 2着率 3着率 4着率 5着率 6着率 2連対率 3連対率
1コース 1コースの2連対(3連対)率 51.8% 18.9% 9.0% 8.0% 7.4% 5.0% 70.7% 79.7% 70.7%・(79.7%)
2コース 2コースの2連対(3連対)率 14.6% 23.7% 18.8% 16.1% 14.7% 12.2% 38.3% 57.0% 38.3%・(57.0%)
3コース 3コースの2連対(3連対)率 12.6% 18.0v 20.6% 17.9% 16.0% 15.0% 30.6% 51.2% 30.6%・(51.2%)
4コース 4コースの2連対(3連対)率 12.1% 19.5% 19.9% 18.3% 16.7% 13.4% 31.6% 51.5% 31.6%・(51.5%)
5コース 5コースの2連対(3連対)率 7.5% 13.6% 17.5% 21.7% 21.0% 18.8% 21.1% 38.6% 21.1%・(38.6%)
6コース 6コースの2連対(3連対)率 2.9% 7.5% 15.6% 19.4% 24.2% 30.4% 10.3% 25.9% 10.3%・(25.9%)

※集計期間:2016/12/16~2017/12/15

潮位から見る丸亀水面

丸亀水面の場合、潮汐表のチェックも重要だ。潮の干満差の大きい瀬戸内海にあり、海と繋がっている丸亀水面は、当然、干満差の影響を大きく受ける。

一般的に、潮が満ちている時間帯はうねりが発生しやすく、水面が不安定になる。選手たちにとっては、いわゆる「乗りにくい」条件となる。そのため、選手は全速で回るのが難しくなり、落として回るインコースや、差しが有利になるといわれている。逆に、潮が引いている状態の場合、思い切った旋回がしやすくなり、センターやアウトからの攻めにもチャンスがあるといえる。水面の高さによって、活躍できるコースに変動があることは、丸亀水面の基礎知識として頭に入れておきたい。

日付 日程 満潮 干潮 潮回
02/09(金) 初日 17:49 12:36 小潮
02/10(土) 2日目 19:05 14:23 長潮
02/11(日) 3日目 20:13 15:35 若潮
02/12(月) 予選最終 21:06 16:20 中潮
02/13(火) 準優勝 21:48 16:53 中潮
02/14(水) 優勝戦 22:24 17:22 大潮

今回の「四国地区選手権」開催期間中における水面は、初日は小潮にはじまり、最終日は大潮。日を追うごとに干満差は大きくなっていく。

丸亀水面の風をよむ

冬場の丸亀水面は、特に向い風が強くなる。12月に入ったころから向い風が強まり、安定板をつけて走ることもしばしば。そんな状況が、年が明けてから1月の終わりくらいまで続く。丸亀の冬場のイメージとしては、こんな印象を持つファンは少なくないのではないか。

ところが、2月に入ると状況は変わりだす。強く吹き荒れていた向い風も次第に収まりだし、風向きもコロコロと変わりだす。もちろん、割合としてはまだ向い風がやや多いものの、横風や追い風のときも増えてくる。そして風速も、そのほとんどが1~3mと比較的穏やかなものになる。

注意したいのは、天候の変わり目だ。強い向い風一辺倒の1月と違い、2月になるとふいに追い風が吹きだしたり、また、横風に変わったりと、風向きがコロコロ変わるようなことも珍しくない。これは選手たちのスタート事情に、大きく影響する。「展示では向い風だったのに。本番は急に追い風になったからS放ってしまった」などといったことも少なくない。もちろん、その逆のケースも起こりうる。

2月に開催される今大会は、気温が1年間の中で最も低くなる時期だ。だからといって、単純に真冬の強い向い風が吹き荒れるイメージで考えるのではなく、レースごとに風速や風向きなどを細かくチェックすることで、より的確な予想が立てられるかもしれない。

気温と湿度の関係

ナイターレースである丸亀の冬場は、基本的に、後半レースになるにつれて気温は下がっていく。昼間の前半レースと、夜の後半レースでは、当然、気温も湿度も大きく違ってくる。それらはモーターにも大きく影響し、つまり選手たちの舟足に少なからず変化をもたらす

実際に、前半レースで散々だった選手が、気温の下がった夜の後半レースで勝ち星を挙げる…といったケースは珍しくもないし、また、その逆のパターンも少なくない。気温や湿度がモーターに与える影響とは、一般的には次のような点が挙げられる。

  • 気温が上がると、モーターの回転が下がる
  • 気温が下がると、モーターの回転が上がる
  • 湿度が上がると、モーターの回転が下がる
  • 湿度が下がると、モーターの回転が上がる
  • 気圧が上がると、モーターの回転が上がる
  • 気圧が下がると、モーターの回転が下がる

今回の「四国地区戦」でレース予想をするにあたり、上記のような点は押さえておくべきだろう。

ただし、「回転が上がる」ことが単純にプラス要因ではなく、「回転が下がる」ことがマイナス要因でもない。選手たち自身も、「回転を抑える」作業や、逆に「回転を上げる」作業を行い、そのモーターがベストな状態になるよう、レース毎に回転調整をするものだ。

基本的に、モーターは生き物であると前提したうえで、選手たちは微妙な調整作業を行う。レースをみる我々側も、その前提を踏まえたうえで、各選手の仕上がり状況を見極めたい。その意味で、展示航走をじっくりみることや、それを数値化した展示航走の各種タイムをチェックすることなどが、生き物相手の推理において、非常に重要だといえる。